葬儀に関連する費用
身近な亡くなってから葬儀が終了するまで、いったい、いくら用意すればいいのか、まだ誰も身近な人が亡くなっていない状態ではわからないものがあります。
これは亡くなった人の社会的立場や葬儀の形式や宗教、葬儀の規模、地域の習慣、または、依頼した葬儀社によって異なります。よく芸能人が亡くなった葬儀の様子をテレビで見ると、壁一面に白い菊の花が飾ってある場合があります。あのような演出をすると、自ずと葬儀費用は高くなります。
そのため、一概にいくらかかるとは言えず、葬儀のやり方によっては、数十万円で済む場合もありますし、数百万円という場合もあります。ただ、ここでは一般的な費用というものを紹介しますので、それで、大体の見当をつけてください。
葬儀費用の地域別平均額
地域によっては「葬儀はこうあるべきだ」という暗黙の習わしがあります。
地区 | 葬儀費用 | 寺院 | 飲食接待 | 葬儀一式 |
---|---|---|---|---|
北海道 | 98.3万円 | 46.4万円 | 57.8万円 | 147.2万円 |
東北 | 183.3万円 | 61.3万円 | 58.9万円 | 233.6万円 |
北関東 | 126.7万円 | 55.7万円 | 52.5万円 | 228.2万円 |
南関東 | 115.9万円 | 46.1万円 | 43.5万円 | 222.0万円 |
西中部 | 153.4万円 | 47.4万円 | 48.8万円 | 221.0万円 |
東中部 | 122.6万円 | 50.0万円 | 43.4万円 | 213.4万円 |
近畿 | 183.5万円 | 49.3万円 | 90.0万円 | 194.1万円 |
中国地方 | 112.2万円 | 67.2万円 | 11.9万円 | 192.3万円 |
四国 | 160.0万円 | 50.0万円 | 10.0万円 | 105.0万円 |
九州・沖縄 | 92.2万円 | 29.6万円 | 79.3万円 | 146.3万円 |
これは、日本消費者協会の第9回「葬儀についてのアンケート調査」から引用しましたが、項目ごとに説明しましょう。
葬儀費用
一連の葬儀にかかる費用で、祭壇や棺などのセット料金になります。
また、花輪や献花などのオプション料金を合計したものです。
セット料金には何段落かのランクがあり、ピンからキリまであります。
花輪も1ついくら、献花は一対いくらなど細かく決まっているのです。
葬儀終了後、請求書を手渡されるのが一般的で、その場で支払っても良いですし、日を改めて集金に来てもらうことも可能です。
寺院・神社・教会
通夜、葬儀や告別式を行ってくれた僧侶や神官、神父への謝礼額は、定価があるわけではありません。一番良いのは僧侶などに「いくらぐらいお礼をすればよいのか」と尋ねてみることが良いのです。もし、いくらと言ってくれれば高いと思っても値切るわけにはいきません。
ただ、「お気持ちで良いのです」と言われた場合です。
その寺院と故人との関係や戒名の位などで相場は違ってきますので、寺院と付き合いのある親戚や、葬儀社に聞いてみるほうが得策です。
仏式における費用
仏式では「お布施」は読経料と戒名料も含みますが、これとは別に「お車代」として3000~5000円程度、僧侶が通夜ぶるまいを辞退した場合は、「御膳料」として1万円程度包みます。
「お布施」は通夜に僧侶が到着して挨拶したときに、「お車代」「御膳料」は通夜の一連の儀式が終わって送り出すときに渡します。
葬儀全般の世話役を引き受けてくれた人には1万~2万円程度、各係の人には3000~5000円を目安に謝礼金を精進おとしのときに渡すのが一般的です。
また、霊柩車やマイクロバスの運転手への心づけも3000~5000円程度必要です。
これは葬儀社の人に預けておけば渡してくれます。
飲食接待費
飲食接待は、通夜ぶるまい、精進おとし、香典返しなどにかかる飲食費や品物の代金です。
食べ物が残ったとしても返品は出来ませんが、ソフトドリンクやお酒など開栓しなければ返品できる場合がありますし、香典返しも余った場合には返品できる業者もいます。
返品できない食べ物は少な目に発注することが無駄を省くコツです。
飲食接待の金額の目安
通夜ぶるまいと精進落としの食べ物の金額は、一人2000~3000円、香典返しも一人2000~3000円位と一般的には言われています。酒などの飲料費は、参会者に酒を飲む人がどれくらいいるかによって異なります。
また「葬式まんじゅう」を出す風習の地域がありますが、これは一人500円~2000円程度が目安です。これらは業者から請求書が来ますので、支払期日や払い方を確認して支払います。
葬儀一式合計
葬儀一式合計とは、寺院や葬儀、飲食接待と分けては、わからないという場合なので、それぞれの合計額ではありません。
続く法要の儀式
通夜、葬儀、告別式以降も、さまざまな法要、例えば、主だったものでも、初七日、四十九日、三回忌、十三回忌の法要があります。仏式であれば、それぞれの機会に僧侶を呼ぶ必要があります。
また、仏壇やお墓がない人は、その購入のための費用が掛かってきます。